プログラミングにおいて初学者が一番つまづくところ、一番時間がかかってしまうところは、環境構築です。環境構築とは、簡単にいうと、あるプログラミング言語を動かすための環境を自分のパソコン内に構築する作業のことを指します。
Pythonの環境構築も、一回できてしまえば後はそんなに大変ではないのですが、初回きちんと動かすまでが非常に大変です。
今回は、macに限定してPython導入から実際にプログラムを動かすまでを解説していきます。
仮想環境とは?
「仮想環境」という言葉がこれから何回も登場しますので、知っておいてもらいたいです。
今使っているパソコンには、ハードディスクがついていますよね?
そのハードディスクにはmacならmacOSが、windowsならwindowsOSがインストールされています。
OSというのは、例えばデスクトップ上でエクセルを使ったり、マウスを動かしてアイコンをクリックしたり、といった普段何気に行なっている挙動を実現するための、基盤となるソフトウェアと思ってください。
そのOSに新しいプログラムを色々インストールすると、相互に影響を及ぼし合ってきちんと動かなくなる可能性があります。
そこで、「仮想環境」の出番です。
「仮想環境」というのは、元々のパソコンのOSに加えて、独立したソフトウェア群を新たに構築する、という意味です。
そうすることで、Aの仮想環境、Bの仮想環境、Cの仮想環境‥と様々な仮想環境を作ることができ、Aの仮想環境ではxxxというプログラム言語のxxxというバージョンをインストール、Bの仮想環境ではyyyyというプログラム言語のyyyというバージョンをインストール、といった形で、相互に悪影響を及ぼすことなく、1つのパソコンの中で上手く使い分けることができます。
Pythonなどのプログラミング言語を使うためには必須の概念といえます。
Pythonの仮想環境構築の方法
Pythonの仮想環境を構築する方法には、大きく分けて2通りあります。1つ目は、Anacondaという仮想環境をパソコンの中にインストールする方法、もう一つはvenvというコマンドでデスクトップ上に仮想環境を構築する方法です。
Anacondaの使い方
anacondaのインストールは、google検索で"anaconda download"と入力するか、もしくはここからダウンロードしてください。すると、画面を下にスクロールしていくと、以下の選択があります。左のPython3.6versionの方を選択してください。
次に以下の画面で、「続ける」を押してください。
さらに次の画面でも「続ける」を選択します。
どんどん進んでいくと、以下の画面にたどり着きます。「インストール」を押して下さい。
以上でインストール完了です。
インストールが完了したら、macのデスクトップ下部から、Launcherのアイコンをクリックしてください。
そして以下の通りにanacondaのアイコンをクリックして開いてください。
次に以下の画面が表示されます。左から2番目の"jupyter notebook"を押します。30秒ほど待つと、jupyter notebookが起動されます。
次の画面に移ります。右上の"New"というボタンを押して、"Python3"を選んでください。これでpythonを順に記述していくとプログラムが実行できる環境となりました。
ここで補足事項です。以下の図で書いているように、Anacondaのディレクトリ(階層)は普段使っているDesktopと同じ階層になっています。つまり、すごく簡略化して言うと、Desktopと並列の、別の環境であると考えて良いです。
anacondaではモジュールと呼ばれる関数の集まりを"conda install 〜"とコードを書いてインストールしますが、そのモジュールたちは、仮想環境にインストールされるのです。
ただ、ここからが複雑になりますが、macパソコンの場合、デフォルトでpythonがインストールされています。
先ほどanacondaのインストールの際に、python3系を選びました。macにはパソコンの購入時にすでにpython2系がインストールされているのです。
このあたりの話は、pythonのアルゴリズムのバグとも関わってきますので、頭の片隅に置いておいて下さい。